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子供にとっての、大人にとってのヒーロー

NHK教育の体操のお兄さんとして、野生動物のように軽やかな動きを見せていた佐藤弘道お兄さんがアリコのCMに出演していた。大勢の子どもに夢を尋ねては、「 それは大変だねぇ 」や「 養育費はこれだけかかるんです! 」とか言って効果音と共にフリップを掲げたりしていた。


これを見た瞬間、私はショックを受けた。画面の向こうで踊るお兄さんをリアルタイムで見ていた私*1にとって、彼が養育費云々を語る姿は冷徹なロボッツのように見える。


子どもがどんな罵詈雑言を乱射しようと、何度ズボンをズリ下げようと、煌々と燃え盛る太陽のように明るい笑顔で小悪魔たちを照らし続けるお兄さんが、子どもに話すべきではない「 金の話 」をしている。「 元気に笑顔で走り回る子ども達が見れれば良いんです。 」と言ってくれたであろう彼の面影は大魔王アリコに封印されてしまったようだ。



世の中の全てには光と影が存在する。
隣の国ではミサイルがこちらを睨んでいること、自分と同じ年齢の子どもが搾取されていること、アンパンがアンパンチを繰り出さないこと。ピチピチの赤タイツを着たところで自分の名前がレンジャーになったりしないこと。そんな、身の回りでニヤけながら待っている「 影 」を見ようともせずに、原色の白が抽出できそうな明るい笑顔で笑っている、それが子ども。
なのに、彼はその「 影 」を電波に乗せて発信している。僕らの太陽は常に勇気と温もりを与えてくれたが、ついにイカロスを殺める残酷な一面をさらけ出したのだ。襲い来るサッドネス。絶望ビッグウェーブ来たで!


このCMは、むっちゃジューシー&鯉でも噛めそうな柔らかいステーキを食べている横で、「 生きた牛が捌かれて店に並ぶまでの過程 」のビデオを流しているようなものだ。余計なことはしなくていいんだよ。現実に対して盲目であることでかろうじて存在できる「 幸福 」を貪っていたかった!EAT THE UNKO クソクラエ!アリコのバカヤロー!( 夕日に向かって )

*1:彼に憧れていた幼い私はバク転をしようとして頭から落下し、脳内に五尺玉が打ちあがった。