目覚まし時計

先日、名古屋に行く用事があり、朝5時起きということで何とか確実に起きられる方法は無いかと考えた挙句、目覚まし時計のストップボタンにプリン容器を被せてガムテープで執拗に固定した。で、安心して寝た。
次の朝。かの機械でノンレム睡眠を強制脱出して飛び起きる。昨晩のトリックを剥がし続けること約一分。…昨日調子に乗りすぎた。全く外れない。剥いても剥いてもコアは顔を出さず、休まず営業し続ける騒音クロック。以前見たマンデルブロ集合の様なエンドレスそして無意味感。またこれが大音量かつ不安を煽る「ヴェー」という音で、何とも言えぬ切なさと焦燥感が早朝の部屋に蔓延する。
こういう場面の人間の精神状態は非常に危ういもので、単にコンセント*1を抜けば良いものの、そういう発想は完全になぎ倒されて残骸も残らない。混乱と焦りが錯綜する暗闇の中で順調に怒りがチャージされ、ついには固定した容器を拳で連打。これで止まらにゃもう知らん、と殴る蹴るの暴行を加えると、ようやく剥落したガムテープ。そして早押し、即ストップ。確かに確実に目は覚め、脳味噌、手足、腸、肛門に至る渾身も強烈に奮い立った。けど、朝早くから心臓に負担がかかる間違った起床スタイルであるのは間違いない。
で、その日朝食を食べながらそのときの自分を思い出して少し怖くなった。「 時計が鳴り止まないから壊す 」というのが「 子どもが泣き止まないから殺害 」という幼児虐待ママの供述と完全に同じ香りがする。寝起きは脳がまだ起動中であるから、そういうプロセスを経ない短絡的でサディスティックな案が閃くのだろう。逆に言えば、自分の子とかを殴り殺すような人間の脳はいつも寝起きなのだと思う。

*1:母からもらった本当に古い目覚ましなので、電池でなくコンセントで動いてます。