「 バナナもまた何かのメタファーかも知れない 」

バナナを食べるといつも思い出すことがある。小学校でもらった「 保健便り 」だ。
確かウンコについての特集だったと思う。大便の硬度で健康状態を測ろうという旨のものだったと記憶しているが、その中に、最も健康な時の大便が「 バナナうんち 」だと書かれていたのが強烈に頭に残っている。硬さ、長さ、どれをとってもバナナと酷似しているらしいが、それを読んだとき、頭の中では甘いバナナと「 バナナと似て非なるもの 」が重なって猛烈な吐き気がしたのである。他のものは「 コロコロ 」や「 ゆるゆる 」などと形容されているにも関わらず、ひとつだけ食物である。中央ではバナナに限りなく近い、しかし紛れもなく大便を意味するキャラクターが微笑みかけていたが、もう既に気味が悪く感じられ、悪臭すら放たんとしていた。

加えて、当時の私は毎朝の腹痛が酷かった。それゆえ、大便は身近なものであり、日々セルフメディケーションに精を出していた私は、珍しく保健便りをじっくり読んだ。しかし、それが悪夢の始まりだったのだ。毎朝、腹痛に悶えてトイレに駆け込み、用を足す。当然下痢だ。正露丸を飲めど、我が大腸楽にならざり。ぢっと便器を見るわけである。すると、その度にあのキャラクターが脳裏をよぎる。一瞬の出来事だが、それは確実に精神を蝕み始めていたのである。
そんなことが何度もあったせいで、今ではバナナを頬張るやいなや大便が思い浮かぶ。しかしそれは「 食事中にウンコの話するな 」ということわざの通り、禁忌だ。自分でも抑えたいのだが、もはや反射的な脳活動として染み付いてしまっている。一種のトラウマだともいえる。今は何でも「 症候群 」とか「 恐怖症 」にしたがる風潮*1にあるため、これもまた新たな病として認知されるのではないかと密かに思っている。

*1:そういえばメタボリック症候群なんて、結局肥満のことやないか、と思ってしまうのですが。駄目ですか。