霧たちのぼる秋の夕暮れ

男性用トイレというのは体をかなり密着させて事を済ませるので、冬は推進力最大で立ち込める小便の湯気がホカホカで鼻へと配達されるのだが、そのとき息をフーと吹き込んでその蒸気を追い返すという涙ぐましい努力を幼少の頃から続けている。また、その後も天を指差しフライトを続行する蒸気 with 尿素に幾度も息を吹きかけて鼻腔へのインヴェイドを徹底的に押さえ込んでいる。
寄せては返す波のように永遠に繰り返される尿のアプローチ。今年も私はその熱烈アタックを肺活量の限り拒み続けているわけだが、同じことをしている男に未だかつて会ったことが無い。これからもずっと、戦うのは、私一人だけだ。