田嶋陽子最強説

録画しておいた「 太田光の私が総理大臣になったら 」を見た。その中で田嶋陽子がちょくちょく「 じゃあ具体例挙げなさいよ 」という突っ込みを入れていたのだが、このフレーズは怖いと思った。相手が話している最中に強引に挟み込むような使い方をしていたのだが、ここがミソだろう。すんなり具体例を返された場合は、「 分かりました。話を続けてください 」と言えば済む。問題は、相手が言い返せなかったり、言葉に詰まったときである。


太田はすんなりと返していたのだが、あの場で3秒以上言葉に詰まっていたらアウトだろう。「 ほら具体例が無いじゃない、実感が無いということでしょ!現実問題として捉えられてないのよ 」と田嶋コンボが炸裂していたに違いない。言葉選びや想起に費やす時間も匠( 田嶋陽子 )の手にかかれば美しい粘着揚げ足取りタイムに早変わりである。こうなると一気に攻められ、これから進めようと思っていた論も一瞬で無効化される。そういう意味で、このフレーズは回答する側にプレッシャーを与えることにもなる。
また、この質問それ自体を咎めることが出来ないのも恐ろしい。「 具体例ぐらい自分で考えろ 」とは言えないために、しぶしぶ具体例を数秒以内に引っ張り出すしか選択肢は無い。「 さっきの話で分かりませんでしたか? 」という反論にも「 議論を進める上で把握しておきたいんです 」などと言われて終わりなのだろう。見かけは純粋、単純な質問でしかないのだから。


競技ディベートでは自分の論がいかに素晴らしいかよりも、相手の論のウィークポイントを突くことに重点が置かれがちだと聞いたことがある。ならばこの「 具体例を挙げろ 」は反則的な、飛び道具的な強さを示すのではないだろうか。自分は全く傷つくことなく、相手の論を木端微塵に打ち砕く隙を待つ。虎視眈々の極みであり、田嶋論法のじっとりした重圧感の集大成でもある。多分一生使いません。