惨めでも花

先日ケーブルテレビで「 七人の侍 」が放送されていて途中まで見た。途中から寝た。ホモと対談する夢で、そちらのインパクトがあまりにも凶悪だったが、映画のほうで印象に残ったのは百姓役の人の顔だった。見事な演技、それも見る者をガッチリ絶望させる惨めな表情。村内での被虐か、役人の暴力か、はたまた夢に破れしがない農夫に甘んじているのか、その理由は定かでないが自尊心の欠片も見当たらない阻喪の表情に、冗談抜きで胸が痛む。胸を張って生きるには既に手遅れ、如何ともしがたい情けなさ。侍が少し怒号を飛ばせば瞬く間に怯み上がって心身ともに磨耗する様は、Iwataniのフード・プロセッサにぶちこまれた野菜に限りなく近い。
今、このような惨めさ、不快さ、憎たらしさといった負の部分を演じきれる人間は少ない。というより、大半のメディアが彼らにスポットライトを当てないのだ。ドラマは常にハイテンション、映画は往々にして「 豪華キャスト 」のものが作られ、また売れる。温水洋一などもネタとして起用されるばかりで、本当に目を背けたくなるような場面を演じる人は殆ど目にすることが無い。私が思うに、今や負のオーラを自在に着こなせるのはミートホープ田中稔社長と、坂口力厚生労働大臣くらいでは無いだろうか。