祖父の学校の記念アルバムを見た

祖父母の家には戦時中の書物やアルバムがたくさんあるのだが、その中の祖父が通っていた学校のアルバムが非常に面白かった。アルバムの写真ごとに説明や場面に応じた会話が添えられているのだが、なんとも時代を感じさせる独特の文体が味わい深かったので携帯で撮ってきた。


説明文も一緒に載せる。

 被服着装
頭のテツペンから足の先まで心身共に心機一転
「一番先に褌をつけよ」何時か本に出て居た
「褌とは軍の衣と書く、戦争のときになくてはならぬもの」と、
「ナール程やつぱり軍隊だナー」
「次は襦袢……オツトそれは反對だ」
「でも釦が……」
「いや」一々懇切に教へて下さる教班長にチョツト甘へたくなる……
「オイ靴も本皮だぜ」初めて交す戦友との言葉

「甘へたくなる……」って、「教班長と青年との禁断の愛」の伏線にしか見えない。


 告別面會
笑顔で父母の前に立つた時の氣持!!
「では氣をつけてナー」何時もながらのやさしい言葉擧手の禮を知らないこともないが一寸テレたので態々帽子をとつたものだ

気をつけてなんとかなるもんじゃないだろ。祖父は前線には配置されなかったらしいが、戦地で友人が続々と死んでゆく体験はあったらしく、そんな現実を耐え切るために始めたのが煙草だったと、そんな話を聞いたことがある。無論、煙草が吸えないとコケにされる風潮もあったらしいが、それ以来祖父がマイルドセブンを呑む姿は少し格好よく見えるものだった。


あとこれは少し笑った。

 拳銃射撃
チイセーくせに俺を吃驚させやがラー

もう文章が面白いし、これが示す写真ってのが、弾丸をそのまま撮影しただけの極めて小さい写真なのでシュールすぎる。


ほかにも沢山写真はあったのだが本当に戦闘訓練の模様だったりしたのでここらへんでストップしておく。銃剣、竹槍の訓練や休憩時間の風景だったり、本当にありきたりなんだけど、今の自分と同じ年齢の少年がそこではないどこかにいる敵を睨んでいたのかと思うと、直視する心も酸味のあるイメージに押しつぶされそうになる。
あと祖父の若かりし頃の顔が全く変わっていなかったので笑った。笑福亭笑瓶か。