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サライヴァ・クエスト 『神々のつばき』

部活を引退してから食が細り、帰宅の時間も早くなってコンビニで食事をすることは無くなった。肉は専ら魚か鳥であり、豚や牛を好んで食べることは無くなった。なんとなくLOHASである。
そのせいか二週間前くらいから唾液の分泌量が異常で、どれくらい異常かというと、大笑いすると口の周りがタプタプになるレベル。トムとジェリーでチェリーパイに飛び込んだ時と遜色ないレベル。携帯電話がウォータープルーフでないのを後悔するレベル。リステリンで気分爽快なリャマの威嚇を忠実に再現したレベル。


私は昔から歯に関して患ったことが無く、どんなに不摂生をしても歯に異変が無い。
これはRPGで言えば勇者のポジションである。
ということは、リステリンは回復魔法でキシリトールは防御魔法。梅干やレモンなどは唾液の分泌を促す攻撃補助アイテム。こまめに宿に寄って舌苔の除去を忘れるな。フッ素コートも強力だが消費MPは大きい。
敵の攻撃は強力だ。隙を見てフランスパンを口に詰め込み、口がパサパサになって防御力が落ちたところに歯周病菌を滑り込ませてくる。煙草の煙やコーヒーはヤニや黄ばみの原因となるが、慌てることは無い。サンスターのOra2と小林製薬の糸ようじがあれば大抵のステータス異常には対処できるのでアイテムショップでは多めに買っておくと良い。
聖剣「オムロン電動歯ブラシ」を携え、覚醒した勇者は驚異的な唾液分泌で襲来する敵をなぎ倒して行くのだが・・・彼は気付いてしまう。自身の口の中に潜む何十億もの雑菌に。
――内に秘めた闇。
苦悩の旅の中で、彼はとうとうディープキスに異常な拒否反応を示すようになってしまったのだった。