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現時点での入試雑感

前期日程終了。確信は無し、されど絶望も無し。受かるもよし落ちるもよし、結果は何であろうと笑って受け入れる準備はできている。あるいは笑うしかないほどの痺れが生じている。
部屋に篭って勉強をしていると独り言が多くなる。壁紙のむこうの美しい先住民たちに語りかける歌う踊る、一階から母の声、ふと我に返り机に向かい過去問を見直し参考書を開き、ペンを握れ書き直せ、ブリリアントの回答を突きつけろ、いや解けない、飯を食い、やっぱり無理、だめだこれじゃだめだ、さあどうする?
何もしない、何も考えない時間はそれだけで焦燥感に付け入る隙を与える。奴はまず喉を凍らせ目の裏を叩き尻を炙って足を青く染める。それがプレッシャーってやつだよ。先住民は呟いた。
そのまま当日を迎え、駅員のいないあばらステーションから終点、京都、降りればここは未来か?巨人の針金細工かそれとも万年薔薇の鋼鉄の蕾の中に閉じ込められたか。なるほど上洛に激しい衝迫が伴うのは古文の中の世界だけではなかった。
試験会場に着くとまるで実感が沸かなかった。これが入試だとは思えなかった。模試のような考査のような、果ては被験者の面構えで座っていたように思う。ゆるい絶縁体のクリームが細胞間を満たしているような感覚。何のリアリティーも伴わず、頑なな意志は末端に行き届かない。とりあえず形状を保つだけのきれいなマイセルフ。このヘブン状態に関しては二日とも抜けることは無く、ようやく今になって冷静に試験のことを思い出している。
発表はまだ先だという。気が抜けるでもなく安堵することも無く、一段落付いたのかどうかも分からないような生活を送っている。本当にあれは入試だったのか?もしかして夢を見ていたのか?そんな脳内。