モダンチョキチョキズ『ボンゲンガンバンガラビンゲンの伝説』

音楽CDの感想なんか書いたことないけど、聞きながら同時進行で書いてみる。ちなみに私の耳はあんまり肥えてないので何を言うか分からない。
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先日実家に帰った際、高校の時分によく通っていた中古のCDショップに立ち寄ったところ、ワゴンセールがあった。多くはもうブームが過ぎた90年代のCDで、ジャケットだけイカツい鈴木あみのアルバムやモーニング娘。の吐き出した枝葉たちの中に、モダンチョキチョキズのアルバム『ボンゲンガンバンガラビンゲンの伝説』が背を覗かせていたので、買った。タイトルをキーボードで打ち込むと頭が混乱してキレる十代的やんちゃなネーミングだがジャケットは妙に格好いい。海外の使用済み切手が無数に並んだ背景の上に "The Legend of Bongengan Bangara Bingen" と書かれており、キーボードで打ち込むと発狂系男子なので日本語が表音文字でなくてよかったと心底安堵した。
値段は100円だった。結論から言うと良い買い物をしたと思う。


私がモダンチョキチョキズを知ったのはYouTubeで「自転車に乗って、」を聞いたときだった。

このときはなんだか陽気な曲だとしか思っていなくて、他に感じたことといえば歌詞が独特だということぐらい。
だけれど、調べてみると実は以前にも意外な形でモダンチョキチョキズの曲に触れていたようだ。
ポンキッキーズで一時期流れていた「ピピカソ」である。

今聞いてみるとよりいい曲だ。小難しいことを言っているようですごく簡単なことしか要求してない感じがいい。子どもの頃の私もなにかよく分からないことを連呼する歌だとは思っていたけど、画家の名前も知らなければ「シュール」も「チョージューギーガー*1」も分からなかったから、とりあえずまくし立てるような濱田マリの早口を楽しんでいた。幼児期に初めて法要に連れて行かれたときに洗礼を受ける、般若心経の未体験のグルーヴ感と似たようなものなのだと思う。


さて、『ボンゲンガンバンガラビンゲンの伝説』について。一言で言うなら、良い意味で「どこまで本気なのか分からない」アルバムだ。
歌詞カードの1ページ目には複数の全裸の女性が海外の前衛芸術家に頼まれていやいやポージングしているような、どうともコメントし難い画が登場。「24時間宇宙一周」では濱田マリの声可愛いなーと思いながら普通のポップとして聞いてみるが、次の「海の住人」は出だしが「音圧に妥協した平沢進プロデュースの『みんなのうた』」という感じでなるほど世紀末と思ったが歌詞が良い!
次の「ふられ節」に関しては婉曲的にアメリカを鬼畜呼ばわりするバイタリティーを見せたためか歌詞カードではカットとなっており、続く5曲目「初恋の丘」では曲の前で1分強に渡り何語とも判別の付かない不可解な中年男性の語りが入る。ネットではハングルと日本語を混ぜた適当な文だとか、ハワイのDJにローマ字に起こした原稿を読ませただとか、様々な説があるのだが、ところどころで聞こえる「***デスカラネ」「***ゴザイマスカラ」といった語尾のイントネーションはきわめてネイティブに近いようにも聞こえ、ますます巧妙な芸に聞こえる。
「主婦になったバーゲン娘」は豪快なバキバキのメタルをバックに若い女性を罵倒しまくる曲。「子どもにバツやコムサを着せたがるのは、なぜかしらぁ?」は爆笑してしまった。
次。「アルサロ ピンサロ」。風俗店の歌といえばそれまでだがサルサに乗せることで「アルサロ ピンサロ」がスペイン風の語感を漂わせ始め、射精時の「ウッ!」もマンボでよく聞くアレのようになっているあたり床屋程度で聞きたいナンバーだ。
「野菜あたまROCK」。濱田マリかわいい。
「凍りの梨」。名曲だった。なんだこれは。

「博多の女」もかっこよすぎる。歌詞はふざけてるが。アルバムのラストでいろいろとかましすぎてる。



そして最後の曲「「くまちゃん」予告編」駄洒落を言うだけ言って終わり。

「あー、でも彼女さ、キリスト教なんだよ」
「俺の彼女ブードゥー教。だから生贄の儀式があってさ」
「俺の彼女露出狂」

こんなんばっか。


ちなみに歌詞カードの最後のページには

御注意:大部分の歌詩は当局の指示により割愛させていただきましたので御注意ください。

とある。どこまで本当なのだろう。
「歌詞」を「歌詩」と表記したのも意図的なものなのだろうか。

*1:「鳥獣人物戯画」 ・・・鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)は、京都市右京区高山寺に伝わる紙本墨画の絵巻物。国宝。鳥獣戯画とも呼ばれる。現在の構成は、甲・乙・丙・丁と呼ばれる全4巻からなる。内容は当時の世相を反映して動物や人物を戯画的に描いたもので、鳴呼絵(おこえ)に始まる戯画の集大成といえる。(Wikipediaより)