文字認識

視力が悪くとも文字が読めるのは、人間の脳が文字を類推するからであり、遠くの文字が読めるからといってその文字の細やかな部分がきっちりと網膜に投影されているかというと、必ずしもそうではないのだ。
大学に入学して以来自分の視力がジワジワと低下していることを実感しているのだが、私は最近自分が「大使」と「大便」をしっかりと視別できているのか不安になってきた。例えば「さいたま市親善大使」という文字を見たとき、正確に捉えることが出来た文字が「さいたま市親善」だけであっても、私は「さいたま市親善大便」と見間違えることはないだろう。なぜなら私はこれまでの経験から、大便にはさいたま市をPRする能力がないことを知っているからだ。人間の脳は巧妙に作られているため、そのあたりの判断を瞬時に行い、続く文字が「大使」であることを見抜く。では「デンマーク大使館」ならばどうだろうか。恐らく現在の視力なら「デンマーク大」までしか正確には捉えられないだろう。では「デンマーク大便館」である可能性は?と考えたとき、私はこれを否定できない。デンマークの大便は館をしつらえるに値するからだ。デンマーク大便館というものが存在するならば、私はこれを見たいと思う。