ガリを旨いと感じた

このあいだ鯖寿司を食べたとき、添えられていたガリが愛おしく思え、食べたら旨かった。
ガリを美味しいと感じたことはこれまでの人生で一度もなかった。甘酸っぱい生姜を好んで食べるという味覚に一切の共感がなかったが、なるほどこれは鯖寿司を引き立てる。口がさっぱりする。次の鯖寿司が美味しい。
今「次の鯖寿司が美味しい」と書いたが、これまでは次の鯖寿司が美味しいなんてことは当たり前だった。ステーキを何切れ食べようが唐揚げをいくつ摘まもうが美味しいはずだった。子供のころはそうだった。回転寿司に連れて行ってもらったときなど、うれしくてサーモンばかり食べた。しかし最近、肉や揚げ物をいくつも連続して食べるのがしんどい。先日チキン南蛮定食を食べたとき、あまりの脂っこさにゲロを吐きそうになった。齢二十一にして老いが来たなどと言うつもりはないが、味覚が年を経て変化しているのは事実で、から揚げにはレモンがほしいし、牛丼には途中から紅生姜を入れる。酒の「ツマミ」の概念が分かりだした、というのもあるのかもしれない。
サラダのドレッシングも変わる。これまでサラダはメインディッシュのように濃い味であるべきだと思っていた。シーザーサラダやオーロラソースのサラダが大好きだった。青じそドレッシングなどオカマ野郎の食べるものとせせら笑ったものだが、今やひたすらにあっさりした味を求めるばかりで、終いには酢をかけて旨い旨いと食べる始末である。